実家の空き家、相続放棄したい人必見!解体・売却の流れを解説

監修:宅地建物取引士 古本剛士

実家の空き家を相続したものの、維持費や管理が負担になり、相続放棄を考えている方も多いのではないでしょうか?
空き家は放置することで様々な問題を引き起こします。

本記事では、空き家を相続放棄する際の手続きや注意点、さらに放棄後の解体や売却について詳しく解説します。不要な空き家をどうすべきか迷ったときの参考にしてください。

目次

    空き家の相続放棄は可能?手続きの流れと注意点

    相続放棄の基本ルール

    • 相続放棄は原則として相続開始を知った日から3ヶ月以内に手続きを行う必要があります。
    • この期間内に、家庭裁判所に申述書を提出します

    相続放棄が適用される条件

    • 相続放棄は一度行うと、他の財産も一切受け取れない点に注意が必要です。
    • 空き家がある場合、「他の相続人が同意するかどうか」も重要なポイントになります。
    • h3: 手続きの注意点
      • 手続きを怠ると、自動的に相続を受け入れたとみなされる場合があります。
      • 詳細は家庭裁判所の公式ページを確認してください(公式情報はこちら)。

    住まない実家を放置するとどうなる?費用とトラブル

    空き家を放置するリスク

    • 空き家を放置すると発生する可能性のあるリスク:
      • 近隣トラブル(不法投棄や荒れた外観によるクレーム)
      • 建物の劣化による倒壊の危険性
      • 特定空き家に指定された場合、固定資産税の優遇措置が解除される。

    放置した場合の費用負担

    • 固定資産税、維持費用、管理費などがかかります。
    • 平均的な空き家の年間維持費は数十万円ともいわれています。

    相続放棄後の空き家処理:解体・売却の選択肢

    相続放棄後の空き家はどうなる?

    • 相続放棄後、空き家は「相続人不明」となり、自治体が管理するケースもあります。
    • 放棄前に解体や売却を検討することが重要です。

    解体費用の目安

    • 一般的な解体費用は30万円~100万円程度。
    • 土地の価値を高めるために、解体は有効な選択肢となります。

    不動産査定の活用


    空き家を資産に変える!不動産査定の魅力

    不動産査定で得られるメリット

    • 正確な市場価格を把握し、空き家を売却する際の判断材料にできます。
    • 一括査定サービスを利用すれば、複数の業者からの査定結果を比較できます。

    不動産査定後の選択肢

    • 売却
    • 賃貸として運用
    • 土地だけを売る(解体済みの場合)

    専門家に相談してスムーズな処理を

    どのような専門家に相談すべき?

    • 不動産会社:売却や査定について相談
    • 弁護士:相続放棄の法的アドバイス
    • 解体業者:空き家の解体についての相談

    専門家を活用するメリット

    • 手続きの手間を軽減し、トラブルを回避することができます。
    • 費用対効果の高い解決策を見つけられます。

    出典 総務省-「税負担軽減措置関係
           「空家法の施行に伴う改正地方税法の施行について

    特定空き家の指定条件とその影響

    「特定空き家」とは、管理が不十分で、以下のいずれかに該当するものを指します:

    1. 倒壊や崩壊の危険がある
    2. 衛生上の問題を引き起こしている
    3. 景観を著しく損ねている
    4. 周辺環境に悪影響を与えている

    特定空き家に指定されると、固定資産税が増加するだけでなく、自治体から修繕や解体の指導を受けることがあります。それでも改善が見られない場合、最終的には行政代執行による強制解体も行われます。その費用は所有者に請求されるため、大きな金銭的負担を負うことになります。

    まとめると、特定空き家に指定された場合、大きく以下のような影響が考えられます。

    • 住民や近隣への影響が大きい場合の行政代執行
    • 固定資産税の特例除外

    出典 「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)

    空き家対策特別措置法とは

    空き家対策特別措置法は、全国で増加する空き家の問題に対応するための法律です。
    この法律により、自治体は特定空き家の所有者に対し、必要な措置を命じる権限を持ちます。
    法律の施行により、空き家問題は放置できない状況となりました。特定空き家の指定を避けるためには、早急に管理や活用の方法を検討する必要があります。

    特定空き家に指定されないために

    特定空き家に指定されると、固定資産税の優遇措置が外され、大幅な税負担増につながります。
    これを回避するためには、空き家を適切に管理することが重要です。

    まず、建物の老朽化を防ぐための定期的な点検や清掃を行いましょう。
    また、周辺環境への悪影響を避けるため、雑草の処理や外観の美観を保つ努力も必要です。
    さらに、状況に応じて解体や活用を検討することもよりよい選択肢になり得ます。

    管理不全を防ぐことで、税負担の増加を避けるだけでなく、資産価値を維持することにも繋がります。

    特定空き家の所有者への通知と指導

    特定空き家に指定されると、所有者にはどのようなかたちで知らされるのでしょうか?
    特定空き家に指定されると、自治体は所有者に通知を行い、改善のための指導を行います。
    この通知には、建物の修繕、解体、または適切な管理を求める具体的な指示が含まれています。

    通知を受けた所有者は、一定期間内に対応を行う必要がありますが、対応が不十分な場合、さらなる行政措置が講じられることがあります。
    最悪の場合、行政代執行による解体が行われ、その費用は所有者に請求されます。

    通知が来る前に、空き家の状態を適切に管理し、特定空き家に指定されるリスクを回避することが重要です。
    特に、空き家が周辺環境や安全性に影響を及ぼさないよう、早めの点検や修繕を行うことで、通知を防ぐことができます。

    自治体からの通知は最終的な警告であるため、無視せず迅速な対応を心がけましょう。

    国土交通省「空き家管理チェックリスト」(PDF)

    出典ー国土交通省「空き家の管理のやり方」
            「空き家等対策の推進に関する特別措置法

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